<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第37章 最高のプレゼント ― 顕如&姫 ―
割と新しく出来た人気のホテルへ入ると、顕如は慣れた手つきでチェックインをし、ルームキーを受け取る。
少し離れたところで待っていた舞とエレベータに乗り、目的の階へ移動する。
部屋に入ると、途端に顕如はそっと、舞を抱き締める。
そのまま片手を頬にあて、舞の瞳に無言で良いか、と問い掛ける。
潤む舞の瞳も、無言の返事で、良い、の一言だった。
顕如はそのまま舞の顔にキスを降らせ、舞のコートを脱がせる。
「顕如さん…」
キスだけで蕩けた顔の舞が言う。
「お誕生日、おめでとう、ございます…」
「ああ、ありがとう。名刺入れも嬉しかったが、こうして最高のプレゼントをもらえたのは嬉しい事だな」
「最高のプレゼント?」
何か他に贈ったっけ?と舞は首を傾げるが、顕如はそんな舞を横抱きすると、クィーンサイズのベッドへ舞を運ぶ。
そっと横たわらせると、そのまま覆いかぶさり、顕如は闇色の瞳に炎をくすぶらせた。
「舞を抱けるのが、私には最高の誕生日プレゼント、だ」
「そ、そんな…」