<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第37章 最高のプレゼント ― 顕如&姫 ―
舞が事前に予約した際、金額を伝え、顕如の好きなものを組み込んだコースをお願いしていたのだった。
オーナーがざっと料理の内容を伝え、ワインリストを提示した。
「顕如さん、ワインは自信ないんです。だからお願いします」
顕如はリストをざっと眺め、今日の料理の内容を思い起こし、ではこれを、と注文し、オーナーはかしこまりました、と下がっていった。
二人になって、舞は改めて、美しい笑みを浮かべて顕如をお祝いした。
「顕如さん、お誕生日おめでとうございます。あの、これ、良かったら使ってください」
例の袋から小さい包みを取り出し、顕如に渡す。
「私に?ここのは…高価だろうが、ありがとう」
顕如は受け取り、包みを開け、名刺入れにほぅと感心した。
「私がそろそろ名刺入れを交換しようと思っていたのを、何故知っているのだ」
少しいたずらな眼差しになって、顕如は舞の瞳を覗き込む。
「あ、いえ、それは知りませんでしたけど…それなら良かったです」
顕如にじっと見つめられ、それだけで顔を赤くする舞を愛しく思う顕如だった。
「ありがとう、早速明日から使わせてもらおう」
顕如の笑みに、良かった、と舞は満面の笑みを浮かべた。
「お待たせいたしました」
ワインが運ばれ、顕如はテイスティングをし、二人のワイングラスに注がれる。