<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第34章 だんらん ― 女中頭三姉妹 ―
「餅菓子、ねぇ…」
三姉妹は新作の菓子を口にした。
「あら、まぁ」
三人で同じ声をあげる。
出てきたのは大福だが、中の餡の中に、あんずが入っていた。
餡の甘さを、包まれたあんずの酸味が中和しているのだ。
「これはなかなか…美味しいわねぇ」
「そうですか?良かった。じゃあこれも売りに出そう」
「これは葉月さんが考えたの?」
梅が聞くと、葉月は満面の笑みでそうだ、と答えた。
その笑みを見て、松と梅は三成が望んだという事に納得した。
「あらあら、あんな可愛らしい笑顔を見たら、三成様もきっと一目惚れでしょう?」
「確かに一目惚れらしいのよね、三成様」
竹が二人の事を話し、仕舞いにはせっかくだから、と夜着姿が色っぽかった葉月を三成に見せ、三成が葉月を自分の物にするようけしかけたと話す。
「さ、さすが竹ねえさん…」
梅が驚いて竹の行動に感心する。
「ふうん、葉月さんはそんなに夜着姿がいろっぽかったの?」
と、松。