第7章 『謳歌』 ※R‐18
とある使われていない一室ーーーーー
「ね、今日は幸の部屋に行こうかなー。昨日は私の部屋だったし」
「おー。誰にも見られんなよ」
「分かってるって~」
ちゅ、とキスを交わしたあと幸村が一人先に出ていく。
桜子は相も変わらず緩みっぱなしの面持ちで、時間差で部屋を後にする
結ばれてから数日。
二人は互いの部屋を行き来し毎晩のように寝床を共にしていた。
行為そのものが目的というよりは
その日あった事、プライベートな事などを褥の中で話すのが安らぎの時間として恒例になっていた。
「ーーーでね、蓮とは小さい頃に剣道教室で出会ったの。小梅と一緒に通ってたから、皆仲良くなって」
情事の後、
横になりながら束の間の会話を楽しむ
「小梅ってお前の姉だろ?なんで呼び捨てなんだよ」
「ひとつしか違わないからねー。それに小さいし子供みたいな見た目なんだよねぇ」
「そーいや佐助に抱き付いてたチビがいたな……」
あはは、と笑い桜子は幸村の肩に頭をつけた
「………あ、明日俺、誕生日だ」
「えっ!?」
(知らなかった……!……ていうか……)
「どうしよう……何か買ってあげたいけど今手持ちが……もーちょっと待ってくれたらプレ……贈り物するから」
普段飲み食いで小遣いを散財しているツケが回ってきた。
申し訳無さそうに伏し目がちにしていると、幸の大きな手が私の髪を撫でた
「そんなのいーって。…もう貰ったから」
そう言うと桜子の胸元に赤い印をつけ顔を埋め身体を引き寄せた
(幸………)
「……そろそろ寝るか。続きは朝な、朝。」
「も~。」
掛布を深く被り、本日最後のキスをする。
ーーーーーこうして今晩も同じ部屋、同じ褥で眠りにつくーーーーー
まさに至福の極地。
だが、
注意していることがあった