• テキストサイズ

【イケメン戦国】戦国舞花録

第7章 『謳歌』 ※R‐18





昨日から降り始めた雨は、勢力を増し未だに止む事を知らない






殺風景な幸村の自室ーーー




蝋燭の炎がゆらめき、
部屋の中を暖色が包む




敷かれた一組の褥。




その上に、
憮然とした様子で胡座をかき腕組みしている幸村がいた。





「………………おい」





「は、はい」





「いつまでそーしてるつもりだよ」





「はは……それもそう……だねぇ」





さっきまでの意気込みはどこへやら。

私は部屋に入るなり怖じ気付いてしまい、隅っこで正座で固まっていた


「早くこっちに来い。」

「あ、はい。」


痺れを切らせた幸村に促され、
視線を下げたまま摺り足で寄ると褥の傍に正座し直す




(どうしようどうしよう………)




イメトレなんかなんの意味も無かった。

謙信様との手合わせより大変だ。
剣道の実戦での度胸はあるのに、
こればっかりは………


汗ばんだ拳をぎゅう、と握り締めた



「……ねぇ、その前にお茶でも飲まない!?」


「は?」

幸村の眉間に深い皺が刻まれる


「ちょっと和んでからでも遅くないでしょ。あっ、心配しなくても大丈夫だよ。お茶の淹れ方習ったから。えっと、お茶っ葉でも取りに行こうかね………」


引きつった笑顔で腰を上げようとすると
手首をぐい、と掴まれ、
幸の胸の中にとじ込められた






「もういい加減、俺に全部寄越せ」






そう荒々しく唇を奪われーーーーー






桜子は、瞳を閉じ幸村の背に恐る恐る手を回した





/ 493ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp