第7章 『謳歌』 ※R‐18
「やらせろ!」
「……………まだ駄目」
「いーから早くやらせろって」
「嫌」
「もー待てねー、早く寄越せ!」
「あっ」
文明の利器ーーーーーーーーーー
便利さや娯楽を兼ね揃えた、発明技術やアイディアを駆使して創られた結晶。
テレビやラジオ、CDプレイヤー然り。
元来、人間は新しい物好きだ。
いつの時代もそうなのだ。
そうやって脈々と受け継がれてきたのだから。
この男も例外ではなくーーーーーーーーー
「ほら見ろ!こんなの俺にかかればあっという間なんだって。馬ー鹿」
「まじでムカつくー!なんで!?」
小雨が降り注ぐなか城に帰り、現在私の部屋に籠っている最中だ。
空いた時間を潰そうと試しにスマホのオフラインアプリゲームを幸にやらせてみた。
結果、
見事にハマってしまったのだ。
座布団の上に座り背中を丸め、華麗な指さばきで画面を操作している
「なんでそんなに上手い訳!?私の方がずっと前からやり馴れてるのにっ」
「ココの差だ、ココの」
幸村が得意気に自分の頭を人差し指でトントン、と弾く
(ム…ムカつく!!)
「貸してよっ、次私やる!」
「まだ駄目だ。これを“くりあ”できたら“れべる”が上がんだよ!」
「そんなの私がやってやらぁ!貸せや!!」
桜子が飛び掛かるが幸村がひょい、とかわし、バタバタとその繰り返しが決して広くはない一室で勃発していた
「お前しつけーぞ!己の力量を認めろよな!」
「うるさいっ!私は負けるの嫌いなんだか…………」
揉み合いになりバランスを崩した桜子が後方に傾いていき、
その上から幸村が覆い被さるような形で畳に倒れ込んだ