第7章 『謳歌』 ※R‐18
「ゆ、き………」
桜子の首元に顔が埋められ、
がっちりと背中に腕が回されている
「………………」
自身も幸村の背に手を掛けようとした時、
ぽつ、ぽつ、と頭上から雫が垂れてきた
「雨…………」
「……やべーな。早いとこ戻るか」
お互い我に返り気恥ずかしさを漂わせながら離れると、
せっせと帰り支度を始める
(あんなに晴れてたのになー……ついてない。)
夕餉まではまだまだ時間がある。
ふと、ある案を思い付く
「………幸」
「ん?」
「帰ったら私の部屋で楽しいこと、しない?」
食べ跡のゴミを片付けていた幸村の体がピクリと止まった。