第7章 『謳歌』 ※R‐18
日が沈み、既に辺りは暗くなり
紅や白の提灯が華やかに並び連ねている。
空で打ち上げ花火が弾ける度に人々の歓声が沸く
そんな中、
土手に腰を下ろした二人は下向きになって手を動かしていた
幸村が手拭いを裂き、紐状になるように捻りながら緒に巻き付けていく。
穴に通して裏面でギュッと何回か結んだ
「ほらよ」
三角座りをしていた桜子の足先から補正した下駄を履かせる
「うそ……っ、もう直ってる………」
「こんくらい当たり前だって」
「ありがとう!すごい助かった」
「いや…………」
照れているのか、また下を向いてしまった
「……………幸、さっきは……あの………変な態度とってごめんね………?」
「別に………。」
桜子は気まずさを紛らわすかのように生えている草をプチプチと抜いていた
「あの女の子……友達……?」
「友達…っつーか、行き付けの甘味処の娘だからよく話したりしてるだけ。ほら、前に一緒に食ったとこの」
「……ああ!あそこの………!」
話したりしてる“だけ”
の言葉にホッとする自分がいた
すると、からかうような顔で幸が私を見る
「なんだよそれ、妬いてんの?ーーーーなんて、そんな訳……」
「そうだよ。」