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【イケメン戦国】戦国舞花録

第23章 『理由』 ※微R18





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「………そろそろ行くわ、私」


ふぅっ、と吐いた煙は宙を昇っていき
室内に差し込む朝日の光に溶けゆく。
煙草をシリンダー状の携帯灰皿へ落とし蓋をすると、褥の狭間から一糸纏わぬ身を起こした。


「今日もこんな早朝に“じょぎんぐ”か?」

「まぁ、ね。日課だし」


隣で横になっていた伊達は眠そうにひとつあくびをすると、そばに脱ぎ捨ててあったショーツを掴みこちらに寄越してくる。
ブラのホックを留めた後ろ手でそれを受け取った私はふらつきつつもゆっくり立ち上がった。
あー……昨夜、やり過ぎたな。


「しっかし妙な褌だよなぁ、これ。その乳に巻いてる帯も」

「………褌じゃないし。似たようなもんだけどね」


脚の間を滑らせ手早く引き上げる。
腰骨の辺りで止めるとウエストのゴムが肌に弾いてぱちん、と小さく鳴った。

着替えの様子をジッと凝視している伊達は褥で頬杖をついたまま不思議そうな、興味深そうな、好奇心に満ちた瞳を向けている。
何度も見てるはずなのに飽きないのだろうか。

ーーー突然押しかけたあの日から数日。
気付けば毎晩のようにこの御殿へ訪れ、奴と身体を重ねている。
だからといって情がある訳でもない。
ただ、キモチイイから。
単純にそれだけの理由だ。


「今夜は、どうする?」


口の端を上げて不敵な笑みを作り、どこか愉しんでいるかのように問い掛けてくる。
ほら、この男も私と同じ。
己の欲に忠実、本能に従うのみ。


「気が、向いたらね」


仕上げに着物の帯を締め身なりを整え、顔を襖の方へ向けたままいつも通りに返事を投げて。
髪を手櫛で梳きながらマイペースな足取りで、いつも通りに部屋をあとにした。



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