第22章 『衝動』
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『おい、見ろよあれ……』
『うわっ!気持ちわりぃ〜』
『伝染るぞ、逃げろー!!』
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こちらを見た途端、
子ども等の表情が著しく歪む。
そしてお決まりの台詞を吐き捨て
踵を返し、一目散に走り去っていく後姿。
ぽつんとその場に独り立ち尽くす自分は
いつものことだ、と気にせず引き続き鍛錬に励もうとしたものの。
込み上げてくる感情を抑え切れず、
木刀を思い切り地面へ叩きつけた。
反動で小刻みに揺れる様子がぼやけた視界に映る。
ーーーうるせぇ!!
うるせぇ、うるせぇ、うるせぇ!!
俺だって、好きでこんな眼になった訳じゃねぇ………!!!
忌々しく、おぞましい右の眼。
指を差され、蔑んだ眼差しで陰口を叩かれ。
この奇怪な眼を見た者は皆、恐れおののき後ずさる。
まるで、化物扱いだ。
幼少時に病気を患ったせいで差別的な仕打ちを受けるなんて………まったく血も涙もありゃしねぇ。
俺だって人間なんだ!!
ーーー暗く塞ぎ込みがちな日々。
母上や弟からも疎まれ、
自分の居場所はどこにも無かった。
もう、嫌だった。
そんな毎日はもう沢山ーーー
『小十郎、頼む…………!!』