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【イケメン戦国】戦国舞花録

第22章 『衝動』





何がどうしてそうなったのかーーー

聞けば、
私と姉が出掛けている間………
天主を訪ねた小梅は、とある勝負を織田に挑み“賭け”をしたという。
立会人として同席していた明智によれば、「至極見応えのある決戦だった」とのこと。

ここ一番の大勝負を繰り広げ、
結果勝利をもぎ取ったのはなんと小梅の方だったらしい。

そして………

賭けの報酬として織田へ事前に提示していたのは、“徳川家への輿入れを推薦すること”。
ーーー見事その権利を手に入れたという訳だ。

なるほど、ガードの固い本人よりもまず周りから崩していく作戦か。


「まさかこの俺を制するとはな………恐れ入った」

「えへっ、恋する乙女は強いのだ!」


不思議なことに、
敗北したにも関わらず織田は愉しげな笑みを浮かべて相手の勝利を讃えてる。
とある勝負とは一体全体何なのかと小梅に尋ねるも、人差し指を唇に当ててにこにこするだけ。

滞在二日目にしてまんまと“最強の後ろ盾”を得るとは………
末恐ろしい女だ。


それからも暫く押し問答が続いていたが……
必死の抵抗も虚しく、織田の指示により小梅と婚前生活を送る羽目になってしまった徳川はがっくりと項垂れた。


「これからずーっと一緒だよ、家康!」

「…………」


哀愁を漂わせる家康の背中は
沈みゆく美しい夕日に照らされーーー
辺りが暗くなる頃には、小梅の荷物は既に城から消えていた。



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