第20章 二人目の主人公編 『到着』
「は………?」
一気に互いの顔が近くなる。
引き寄せられたせいでスマホから遠のき、
繋がっていた片方のイヤホンが私の耳からポロリとこぼれ落ちた。
「あの信長様に臆する事無く堂々とした立ち振舞い……
えらく肝の据わった女だ、と興味が湧いた」
「…………」
「ふっ……しっかし凄え格好だな、蓮。
俺は嫌いじゃないが」
馴れ馴れしく呼び捨てされた私の身体は、
下着とカーディガンを纏うだけのとてつもない薄着。
食欲も無いし、あとは寝るだけだったからね。
「……宴から抜け出して来た甲斐があった」
片手は腰に、もう片手では肩を抱かれーーー
鼻先同士が付いてしまいそうになる位の至近距離で囁く瞳の青は、より鮮やかに見える。
危うさを秘めた男の色気、とでも言い表せばいいのか………
魅了される女は星の数ほど居るのだろうーーー
そう分析する私は、至って冷静に伊達の出方を伺っていた。
「……だから?
吟味する、ってどういう意味で言ってんの?……」
「ーーーこういう、意味」
途端、奪うかの如く
唇を塞がれーーー
瞬きもせず、それを受け止めた。
ーーー………
・・・・・あ、お香の匂い・・・・・
瞳の色よりも濃い青………紺碧の着物から
ふわりと漂う。
野生的で、それでいて優雅な
誘うような 香りーーー
大抵の女は
くらくらと目眩に苛まれ、のぼせ上がり……
惑わされる。
ーーー私は例外だけど。
「…………」
蓮は目を閉じると
スッと政宗の首に腕を回し………
唇の隙間から舌を滑らせ、差し入れた