第15章 フレンドシップ・リレーション
「幸、先に行ってて。佐助にお礼言ってくから」
「……おー。」
桜子さんがやんわりと幸の腕から抜けて部屋に入って来る。
「遅くなるなよ」と告げて歩いていく背中に返事をした彼女は、俺の正面にすとんと腰を下ろし……
頭を下げた
「……ありがとね、佐助」
「どうしたの、改まって」
「私がこの時代でここまで恵まれた生活を送れてるのは佐助のお陰だよ。随分助けられてきたもんね。……結婚する前に……ありがとう、って伝えなきゃって思ってたんだ」
「桜子さん………」
「それから……いつも頼ってばかりで愚痴まで聞かせてごめんなさい。……今日だってそうだし……本当にごめんね、迷惑かけっぱなしで」
ーーー………
分かってないね。
俺、君に頼られるの 嫌いじゃないんだ。
「そんな事言わないでもっと頼ってきていいんだよ。もし幸が粗相をしでかしたら俺が懲らしめに行くから。………あ、でも返り討ちに遭うかもしれないけど」
肩をすくませて言うと、
ふっ、と彼女が笑みをこぼす。
そう、その調子。
暗い顔なんて君に似合わない。
だから笑って。
俺が好きだった、あの時の笑顔のように。
「ありがと。佐助、大好き」
「俺も、だよ」
ーーー友達として。
今はもう恋でも愛でもないけれど、君の味方でいてあげる。
これからも、ずっと