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【イケメン戦国】戦国舞花録

第15章 フレンドシップ・リレーション




夕餉後、俺は自室でワームホールについての資料をまとめたり見直しをするなどしていたがある程度時間が経った頃、一息つこうと部屋を出た。

茶でも淹れようか、と思い廊下を歩いていると
広間の障子が開いていたので通りすがりに覗いてみた。


「ういーっす、佐助」


恥ずかしげも無く脚を広げて寝転がり、書物を片手に煎餅をボリボリと噛じりながらこちらを向く桜子さんが居た。


「う、ういっ、す……」


………野郎同士の挨拶じゃないんだから。

相変わらずのこのラフな感じ、彼女らしくて嫌いじゃないんだけどね。

いや、むしろーーー






「ねぇっ、これ何て読むか分かんない!ちょっと来てー」


呼び掛けに、ハッと我に返り彼女の元へ行き腰を下ろした。

書物に記されている、ある漢字の読み方がどうしても分からないと言うので教えると
ぱぁっと花が咲いたような笑顔で礼を口にしていた。


あ、またこの顔………


出逢った初日に見た時と同じ、あの笑顔。
思わず『可愛い』と心の中で呟いてしまったんだっけ。

………俺とした事が。






ーーー桜子さんは、いわゆる“今時の若者”だ。

現代人の中でも華やかなタイプで………
ほら、クラスにいただろう。いつも目立ってて可愛い女の子グループが。
その中に居そうな…………そんな感じの子だ。

実際に写真を見せて貰った事があるが、どれも多くの友人等と楽しそうに写っていた。
男友達も少なくなかったようで、
以前それらと一緒に写ったものを幸に見せたら不機嫌になった
と、焼き餅を焼かれて嬉しそうに話していた。

日常でも大学のサークル活動に精を出したり季節毎のレジャーや飲み会、クラブで遊ぶなど
現代生活を謳歌していた女の子が、食も娯楽も乏しい戦国時代で生きると決意した。

その覚悟は、どれ程のものだったのだろうーーー。

きっとそれは、この時代にたった一人の大切な存在がいるからで・・・・



つらつらと巡らせていると、彼女の“大切な存在”本人が障子の向こうから現れた。



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