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【イケメン戦国】戦国舞花録

第14章 マイ・ガール ※R-18




「これだぁっ!」


勘で探り当て摘んだ碁石を、高らかに上へ掲げたーーー



……………………………



………げ………。



私の指先にある碁石が黒だと発覚した瞬間、
弾けるような大歓声が湧き起こった。
まさか残り僅かしかない黒を引いてしまうとは……。
どうしよう。
幸との事もあるし、城の女中に話すのは控えたいのが本音だ。
躊躇していると、ずい、と皆が取り囲んできた。


「ほらほらほらっ!吐いて下さいましっ」

「ご自分だけ逃げるのは無粋ですよっ」


期待の眼差しで迫る女中達。
あれだけ他人の秘め事話で騒いでおいて
ここで頑なに拒否したら一気に場が白けるのは間違いない。
以後その代償として皆からの風当たりが強くなるのは必至。
裏切りは許すまじ、と、手と手を取り合い一致団結して精神的な攻撃をされてはひとたまりもない。女の恐いところだ。

まさしくまな板の鯉のような私は、一呼吸置いてボソボソと吐露した。


「十六の時………こ…光太郎って人と……」


言葉尻と被さって、周囲からは悲鳴にも似た黄色い声が発せられ私の耳をつんざきかけた。


「何をなさっている方なんです!?」
「当時は学生……えっと……学問に勤しんでて……」


「まぁ!きっと聡明なんでしょうね〜!初事はどちらで遂げたのです!?」
「……彼の部屋、で……」


「お顔立ちは?眉目秀麗ですか!?」
「び…もくしゅうれー……?」
「整っている顔、という意味です」
「ああ……。うん、………すごく格好良かったよ。………ていうか質問はこれくらいにしといてよ〜……」


苦笑いで話題を変えようとするも、興味津々な女中達の勢いは過熱し質問の嵐となり
戸惑っていた私だったが次第にその怒涛の勢いに飲まれていった。



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