第12章 ネクスト・ドア ※R-18
ーーー罪悪感に潰されそうだった。
自分が全部悪かったんだ。
最初から断っておけば傷付けずに済んだんだ。
城の自室へ戻ってきても尚、自責の念に駆られていた
…………………
それから政務等以外は部屋にこもりきりだったが流石にそんな事ばかりしてても何の意味も無いので、贔屓の甘味処へ行こうと城下に出掛けた。外出するのは五日振りだった。
(はぁ………。甘いもんでも食ってこのジメジメした気分をどーにかしよう………)
溜め息をつき、とぼとぼと歩いていると
渡橋の先からこちらに向かって小走りしてくる女が見えた。
あれは………五日前に別れたばかりの………
(八重………)
八重が満面の笑みで走ってくる。
…………心の整理がついたんだろうか。
その上でまた以前のように、会えば世間話くらいする関係でいてくれるのなら………俺の心も少しは救われそうだ。
なんて器のでかい優しい女なんだ。
微笑んだまま手を振る八重。
「八……」と言い掛け、自分も笑顔で手を振ろうとした
瞬間。
すいっ と、俺の真横を走り抜け…………
「太郎さぁん!お待ちになってぇ〜〜〜」
目で追うと、
甘い声を発しながら見知らぬ男の元へ擦り寄る八重の後ろ姿があった
ひゅるん、と虚しい横風が吹く。
・・・・・・・・・・・・・・
な ん だ そ りゃ
女は変わり身が早いとよく聞くが………
あの涙は一体何処へ?
俺の引きこもった五日間はどうなる?
五日で………
たった五日で………