第10章 『永劫』
真田家の迎え役を先頭に、長い行列が続く。
力者が輿を運び
送り役を買って出た謙信・信玄・佐助等は輿を守るようにその周りを馬で歩き
女中頭だった佳世は正式に桜子の侍女となり列に加わっていた
荘厳な雰囲気を醸し出す花嫁道中ーーーーーー
さわさわと木の葉が擦れ、鳥や虫が活動をする自然が溢れる山道を
大勢が並んで進み…………
一行は越後から信濃を目指して行った
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暫く道中を歩き…………
信濃に着いた行列は、
門火が焚かれている上田城の門を通り屋敷に輿を担ぎ入れた
「来たか」
今か今かと待ちわびていた幸村は、
纏った白直垂の衣擦れの音と共に立ち上がると
運び終えた力者が置いた輿の方へ向かった