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【イケメン戦国】戦国舞花録

第10章 『永劫』




桜子も一緒に頭を下げていると、「小娘」と呼ばれ面を上げた


「色惚けは程々にして今後は俺と鍛錬する時間を増やせ。それで勘弁してやる」

「謙信様……」

「以上だ。」


そう言い残して、ふい、と天幕の外へ消えていった謙信様に感謝の気持ちが溢れて止まらなくなった私は、その場にしゃがみ込んだ。


未来から突然現れあまつさえ色々な騒ぎを起こした赤の他人である私を、こんなにも温かく迎え入れてくれる春日山の面々。
感謝してもしきれない。






それから………


他にも御礼を言いたい相手が二人。


そのうちの一人に会いに、救護用の天幕へと足を早めた

















「志乃!」

「……桜子さん……」


幕をくぐり、中で治療を終え寝かされていた志乃の元へ駆け寄った
奇跡的に一命を取り留めたらしく、ホッとした。


「桜子さん、ごめんなさい、私……」

「いいの、志乃が居なかったら私は幸と会えなかった……だからもう、いいの。こんな怪我してるのに報せてくれてありがとう……」


海から戦場に向かう途中、幸から聞かされたのだ。
志乃が、生きてる事。
私の居場所を報せようと山中を彷徨ってた事。


「私……あの男達に裏切られて斬られた時、桜子さんにした自分の行いを凄く後悔したの……だからせめて罪滅ぼししなきゃ、って……許して貰えなくて当然だけれど………本当にごめんなさい……」

「いいの!もう忘れちゃった」

「桜子さん……」


確かに酷い仕打ちを受けた。
でも、
私の為に身を呈してくれた。
それだけでもう充分だ。


「ねぇ、怪我が治ったらお団子食べに行っていい?そんでまたいっぱいお喋りしよう?」


そうぎゅっと手を握り笑顔で尋ねる桜子に、志乃は「はい……」と涙声で返事をした。


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