• テキストサイズ

【イケメン戦国】戦国舞花録

第9章 『狂愛』



「ちなみにここが秘密基地っつーのは本当。そんな陳腐な名称じゃねーけどな。地下深くにあるから叫んでも外界には漏れねぇようになってんだ」




…………………




何故、私はここにこうして居るのか



何故、あなたはそんな出で立ちで他者に命令し“お頭”と敬われているのか



何故………………




「…………志乃も仲間なの?」

意識を失う直前のやり取りを思い返す。


志乃に回された腕が強まっていってーーー

あの兄弟から変な匂いを嗅がされて……………………

知らぬ間にこの場に連れて来られた


……………光太郎が指図したというのか




「仲間じゃねぇ。殺した」




…………………………………………………




「え………?」



「殺したっつーか、殺させた」





バクバクと動機が激しくなり、
悪寒が走る





「な………んで………」


「用済みだったから」



そのしれっと平然とした口ぶりに
鳥肌が、たつ




「………っ、正気なの………っ!?ねぇっ!!志乃は………志乃は私の………っ」


「友達でもなんでもねーだろ、あんな女」


鼻で笑うと桜子の長い髪を一束手に取り
指にくるくると絡ませ弄る



「ペラペラと色々情報提供してくれちゃってさぁ、今回の件でも嬉しそうに協力してたぞ。裏切られてたんだよ、桜子は」





“私、貴女が大嫌いだった”

“私がお慕いしているのは幸村様ただ一人”





志乃の言葉が巡る。


私が悩みなどを打ち明けるといつも熱心に耳を傾けてくれたり、笑い話もし合って楽しかった彼女との友情は幻想だった…………のか……………



「………だからって殺すなんておかしいよ!まともじゃない!!なんで……………?なんで光太郎そんな風になっちゃったの……………!?」


「…………………」


桜子の髪を放すと、
光太郎は幾ばくかの沈黙ののち
話を、
始めた

/ 493ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp