• テキストサイズ

【イケメン戦国】戦国舞花録

第9章 『狂愛』




「これは…………!」

「………桜子の、荷物だ………」




五百年後の未来から持って来たという、
奇異な入れ物。
“便利でしょ、これ”
金具で口の開閉ができ、使い勝手が良いと披露していた桜子を思い浮かべる




「山道の脇にこれらが放られたままで、佐助様に確認して頂いたところ、桜子様のものだと………。本人のお姿は見当たりませんでした」


幸村の目元が鋭く吊り上がり
髪の毛が逆立つかのような怒りが湧き溢れる


(あの野郎………!)














そうしているうちにまた足早に訪れた兵から声が掛かる

「全て準備が整いましたのでどうぞ表へ!」




報告を受け、
それぞれが門へと歩きだす




「幸」

肩に信玄の手がそっと置かれる




「出立の前にお前の本意を聞いておきたい」




………………………………




「桜子は、俺が必ず連れて帰ります」




その一言に詰まった、幸村の桜子に対する想いを悟った信玄は柔和な眼差しを送ると
肩に置いた手を一旦離し、気合を入れるように背中を叩いた


「さぁ、行こうか」


幸村は頷くと、
前方を見据え
兵達が整列している大手門へと進んだ



/ 493ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp