• テキストサイズ

【イケメン戦国】戦国舞花録

第8章 『狡猾』 ※R‐18




「あのね……」


意を決して切り出す。


「近々、彼氏が出先から帰ってくるの……だから、もうこんな風に会ったり…出来ない。ごめんね……」


「……………」


伏せられた睫毛が震えている桜子を一瞥すると、光太郎はひと呼吸置いて吹き出した


「シリアス決めてんじゃねーよ!ぷっ……くく、腹痛ぇ………っ」


そう手を叩いて大笑いするさまに私は面食らってしまった。


「なっ!?ひ…人が真面目に言ってんのにっ」


「悪い悪い。あーウケた。…何を気にしてんのか知らねぇけど、そんなの言われなくても分かってるって。彼氏に怒鳴り込まれんのは勘弁だから退散するわ」


「もぅっ、笑い過ぎじゃない!?」







そっか。

私が重く捉えてただけなんだ。

光太郎はこんなにも清々しいし、

気持ち良くけじめがつく。

楽しく懐古する時間はもうお終い。







「……じゃあ、元気でね」

「ああ」





帰路を歩き出し、
距離が離れていく



「……桜子!」



呼び声に振り返る



「もし何かあったらいつでも来いよ。二ヶ月間しか居ねえけど、話くらい聞いてやる」



「…うん!ありがとね!」









ーーーーーーーーー

桜子が林の奥へと消えたのを確認すると、
冷めた顔で座り立膝をついた。
煙草に火を灯す


「……………」


/ 493ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp