第8章 『狡猾』 ※R‐18
「私だって………」
私だって同じだよ
法的には死亡認定されたって聞かされてからも
ずっとずっと会いたくて、会いたくて…………
大好きだった。
………………でも
………………………
「…………邪魔が、入った」
光太郎はピクリと耳を微かに動かすと私から数歩下がり遠くを見つめていた
「え…………?」
辺りを見回すが、
得に不審なものは何も無い。
「ねぇ、なにが………」
振り返ると、既に彼は消えていた
(いつの間に………!?)
すると、
早足で草を踏む音が聞こえ
慌てた様子の人影が飛び出してきた
「いたいた!桜子さーん!」
「佐助!」
「佳世さんがカンカンなんだ。早いとこ城に戻ろう」
「なんでここが………」
「桜子さんが居そうなとこ幸に聞いて、向こうにある草原で探してたら村正の声がこっち方面から聞こえてさ」
「……そっか……ごめんね、わざわざ。…すぐ帰るね」
“また、今度な”
佐助と共に来た道を戻りながら、
先程光太郎が最後に残した言葉を思い出していた