第8章 『狡猾』 ※R‐18
「はぁ……はぁ………」
ぐったりとうつ伏せになっていると
仰向けに転がされ、
桜子の広げた脚を両肘に掛け最後を迎える為の激しい律動が始動する
おぼろげな意識のなか、
揺れる視界に映る幸村を見つめていた
ーーー幸だって、こういう時は普段と違う。
いつもぶっきらぼうな口調で何気ない事で照れたりする癖に
私を抱く時は、色香を纏った男の顔になる
「……!」
桜子の中に欲を吐き出し尽き果てると、
上体を前に倒し口付けをした
「大事にするから。……一生」
私は幸の首に腕を回すと、目を閉じた
「………うん」
そうーーー
荒々しく求められた後、必ず優しい表情で抱きしめてくれる
自分だけが知っている彼の姿ーーー
ああ
この愛に、溺れていく。