第3章 『面影』
「…………幸村、邪魔するな」
「いーや、邪魔してんじゃねーです。…………あとでどーーーーーしても謙信様と一緒に稽古がしたいから、体力温存の為に俺と交代してくれって佐助から頼まれたもんで。」
「……………………ふん、珍しい事もあるものだ。」
幸村と佐助を一瞥すると、カシャンと刀を鞘に納めた。
(意外とアッサリ引いたな……………。でもこれで大惨事は免れた。あとは俺が軽~くあの女をあしらえば済む。)
一方佐助は頭を抱えていた。
(桜子さんの為とはいえ、俺をダシに苦肉の策を…………覚えてろ、幸)