第2章 邂逅
小さな破裂音が二回響く。
それよりも速く身体を動かし天蓋から窓際へ着地。ふらついたのはここだけの話。
危なかった。ふらついたけど、高得点は間違いなし。
「こんばんはー!!」
駆け寄る黄色に微笑み後ろ向きで窓の外へ身を投げる。
あ、これ結構恐い。
体勢を変え、両腕を横に伸ばす。
私のような細腕、非力な手で掴めるものはないけれど。
私の狙いは何かを掴むこと、ではない。
腕を伸ばして少し経った。
心なしか、上に流れる景色が遅くなってきたかな。
しめた!
今が好機。
これを逃すと私はトマトの運命。
今度は片手を内ももに伸ばし、忍ばせていた銃を手に。
そして適当な木々に狙いを定め、指を動かす。
パシュッと小気味良い音の後、木に向かって行ったのは丸ではなく線。
線は木の幹に刺さり、グイッと私を引き寄せる。
新調したワイヤーガン。
長めのワイヤーで、使い勝手が良いな。
そんなことよりも。
頃合いをみて着地の体勢に入ると。
少し冷たい感触が足の裏からこんにちは。
「靴は確か、この辺に…よしっ」
これで走っても問題はない。早くこの場から、離れないと。
ただ、問題は。
「薬、切れたかも」