第3章 憎悪
「何ですか? ご近所迷惑ですよ」
「いやいや、私有地突っ切って来た君に言われたくないんだけど!! つーか、何で談笑してんだよ!? 全く噛み合ってないけどさ! この子捕まえなきゃならねぇんだろ!?」
「だってさー、俺らさっきまで仕事してたじゃん。正直しんどいんだけどー」
緑のツッコミに赤が頬を膨らませる。ちなみに他の四人は赤に賛同してコクコク頷いている。何この雰囲気。この人たち仮にもマフィアなのに。
面白いから乗っかろう。
「奇遇ですねー。僕もたった今片付けたとこなんですよ」
「だろうね!! 道無視してきたもんね!!」
「チョロ松兄さんうるさーい」
ピンク……確か、トド松さんだったか。彼がスマホを弄りながらほぼ棒読みで緑を制する。
あの緑はチョロ松さんって言うんだ。
この六人のツッコミ担当。よし、覚えた。
「なぁなぁ。せっかくだからさ、このままどっか呑みに行かね?」
チョロ松さんの標的から外れた赤がこちらにすり寄り人差し指と親指を丸め、クイッと手を仰ぐ。
「いいですねー。でも」
懐に手を入れ、忍ばせていたホルスター(銃を携帯出来る入れ物)から銃を抜き。
「止めときます」
カチャリと赤の額に押し付ける。
が。
「ありゃ、俺たち気が合うねー」
ほぼ同時に、赤も同じことをしていた。