• テキストサイズ

【おそ松さん】欠陥だらけの道化師さん

第3章 憎悪


「なるほど、お話はだいたいわかりました」

部屋に入ってからずっと、例の彼女の話に耳を傾けていた。

今回のクライアントは犬山 音子(ねこ)さん。28歳。平凡なOLの彼女の悩みは、同僚の値山 イオリのこと。

要点だけまとめると、
どんなに仕事で結果を出しても全てイオリに手柄を横取りされ、さらには彼女の仕事までやらされるという。

それでも音子さんは耐えていたらしいが、付き合っていた男性までも取られてしまい、もう限界なのだとか。

殺してやりたい。
けれど、自分に容疑がかかるのは避けたい。


なんとまぁ……
同情はするけど、彼女もなかなかの自己中心的だ。
自分の身が一番可愛い。まさにこの言葉に尽きる。

「もう、あの女に取られるのは嫌なんです! だから……だから!!」

涙を流しながらそう訴える彼女。その姿だけを見れば悲劇のヒロインなのだが。


「音子さん。どうしてもその方を殺めたいのですか?」

私の声にピクリと反応し、真っ直ぐ捉える。

「因果応報。人を呪わば穴二つ。この言葉を知っていますか?」

/ 38ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp