第2章 邂逅
「おれらがどうこうするわけじゃないから、それは知らない」
「俺達が請け負ったのは、捕らえるまでだからな」
「…しゅっぱーつ、進行!!」
脇に担がれ景色がゆったりと進んでいく。
丁度いい。少し状況を整理しよう。
十中八九彼らは警察官ではない。
銃をぶっ放して追いかける警官なんざ、存在するわけがない。
けれど銃の扱いを心得ている。
そして、死体を見つけても取り乱すどころか部屋を観察、あるいは拝む余裕さえある。
……あの黄色は特別なのかもしれないけど。
ある一つの答えにたどり着くが、すぐさまそれを否定する。
あり得ない……だって私を狙う理由はないじゃない。
いいや、でも。
いくら人払いしていても、何かあれば知らせが来るはず。それがなかった。何より、黄色と紫は爺を見て”平静”だった。
おかしくない? 彼らが一般人でないにしても、"誰かに先を越されてしまった"もしくは"警護対象が殺られてしまった"と焦らないか?
「お迎えさんさん、三塁コーチー!」
そこまで考えた時、黄色が嬉しそうに駆け寄る。前方を見ると、黒いワゴンがポツンと存在していた。
そんなことはどうでもいい。
いや、割と大問題なのだが。
先程消したものを思考が再び持ってきた。
彼らはマフィア。
そして、同業の爺はついでに過ぎない。
本当の狙いは間違いなく
私だ。