第2章 邂逅
「今日ってもう終わりだよな」
「ああ、あとは血を分けし兄弟を待つだけだ」
前方で繰り広げられる会話を呆然と眺める。
青が胸に手を当て答えるが。
何言ってんだこの人。
紫が青に鉄槌を下し、少し気分が晴れたが体温は上昇し続けている。
「あー、ちょっといいですか」
青を懲らしめる紫の手がピタリと止まり、六つの視線がこちらに降り注ぐ。
「僕、寝ててもいいいですか」
「ね、ねむーいの?」
後ろで黄色が急に騒いだため、耳と頭が痛い。
「アンタ何考えてんの。敵の前で堂々と居眠り発言とか」
紫の感想はまったくもってその通り。
殺し殺され、奪い奪われが私たちの常識。
それなのに、もう抵抗はしない。好きにしてくれって言ってるようなものだから。
「追っかけ回されて、もうへとへとなんですよ。それに」
一度目を閉じ、一呼吸置いてから再び開く。
「生け捕りにしたんなら、要件は僕の命じゃ、ないみたいですし」
彼らに少し殺気を当てる。決して彼らにイラついてなどいない。この殺気は効果が切れた薬及び運の悪さに対してだ。
暗殺者が捕まるなんて、笑い話にもならない。
恥だ。
もう一度いうが、決して彼らに対するものではない。