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漂流者案件承ります。〜女主人の細腕宿飯日記〜

第2章  弍〜商談〜


「まぁ、源平合戦に謳われる伝説の弓兵様にお会いできて光栄です。そちらの方は?」

そう促され、胸を張り名乗りをあげる第六天魔王

「儂は織田。織田前右府信長である。」

「戦国時代の英傑のご尊顔拝見出来まして、光栄至極にございます。そちらはフラメー様ですね?お名前は予々伺っております。」

「なっ…なんて娘なの…おひいさまだけじゃなくアタシの事も知っているなんて…」


どうやら第一印象は上々のようだった。にこりと笑い扉を開け部屋へと招き入れる。

白い壁に豪奢なソファー花は薄紅の姿を潮風に揺らし、レースカーテンは斜陽を作る控え室。
そこはまるでアラビアンナイトの世界が広がっている様だった。

「うは…すげぃ」

「コイツは見事な部屋だな。グ=ビンネンの懐具合が分かるわい。」

部屋をしげしげと見て回る二人を、尻目にソファーで寛ぐ従者の横でお茶の準備。
ミルクパンから甘い香りが漂ってくると、いつの間にかソファーで待っている二人。

大きめのカップに注がれる少しぬるめのロイヤルミルクティー。それに合わせる様に様々なフルーツタルトが出てくる。

「どうぞお召し上がり下さい。」

恐る恐る口をつける日本人と、品定めをする従者。
………そこからが大騒ぎの始まりだった……



「うまっ‼︎何じゃこれ⁉︎濃いのにくどくない…茶なのか?これ。」

「程よくぬるめのお茶に手頃な大きさの甘味…僕ここの子になる。」

「滑らかなカスタードと若々しい果物の酸味のハーモニー、それに舌触りの良い生地を完璧に調和させているなんて…何者なの⁉︎」


口々に何処かの脱衣グルメ漫画の様な事を言っている御三方…
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