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嫌いだなんて言わないで

第1章 お願い。







「いやーコウモリは小さいから楽でいいわー。
もはや人間やめたい。」

「いやいやそれはなんか違う気がするよ!」



あははーと笑いながらクラスメイトの元へ戻る。

すると、その風貌からか1線を置いていたクラスメイト達が次々集まってきた。



「鬼無すげえな!個性怪力じゃねえのな!」

「コウモリにまでなれるなんてずるいよー!」

「教えてくれよ個性!」


「おおう!?いきなりだなみんな!」


俺、切島鋭児郎。私、芦戸三奈。俺は上鳴電気!
いきなり集まるクラスメイトにちょっぴりビビりながら自己紹介を交わしていく。

話していく内にみんなの個性やすごく親しみやすい人達だと言うことがわかってきた。



「で、結局さやの個性はなんだ?」

「知りたい知りたーい!」

「あー、私の個性ねー。たぶんその内先生が話してくれるとは思うんだけど…。」



次のボール投げをする為にグラウンドを移動中。前方を歩く相澤先生に目を向ける。
絶対聞き耳を立てているが、特に何か言う気配はない。
言ってはだめだと言われた訳ではないが…。



「んー、先生が話した方がきっと分かりやすいしそれまで待ってくれる?」

「おー、そうかー。ごめんな!無理に聞いちまって」

「いいよいいよ!切島が謝るような事じゃないし!
むしろごめんね!教えてくれたのに教えられなくて」



少しはにかんだ申し訳なさそうな笑みを向ける。
気にすんなって!と言ってくれた切島はきっといい奴だ。




*************



第四種目 反復横飛び

個性使えず
「43回」




第五種目 ボール投げ

怪力使用
「700m」



第六種目 上体起こし

個性使えず
「35回」



第七種目 長座体前屈

またも個性使えず
「48cm」



第八種目 持久走

終始フードを抑える。怪力を少しだけ使用
「4分30秒」







******





「どわー!後半だめだめだー!」

持久走はやっぱり上手くいかなかった。
五十メートルくらいならフードがとれてもすぐ直せばいいけど
1500mとなると日焼けがきつい。



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