• テキストサイズ

嫌いだなんて言わないで

第1章 お願い。






少し 私の個性の話をしようと思う。



個性 吸血鬼(ヴァンパイア)


人の血を吸い、その血ごと怪我や病気を吸い出してしまう個性。
吸い出した血は私の糧となり消化されていく。

吸血以外にも吸血鬼が出来ると言われた事は大体出来る。
怪力
コウモリに変身
夜目がきくなど

吸血鬼伝説と違うところは
吸血しても吸血鬼にはならない。
陽の光、にんにくは苦手ではあるが平気。十字架や聖水じゃ死なないというところか。

いくつか欠点もあるが汎用性は高い。



「さてデモンストレーションは終わり。
こっからが本番だ。」


相澤先生の声に顔を上げる。
さて、楽しい時間の始まりだ。




******************





第一種目 五十メートル走



怪力応用。足に瞬発力を生む。
「四秒ぴったり」




第二種目 握力



またも怪力。壊さないように気をつける。
「500㌔」



第三種目 立ち幅跳び




「さて、どうするか。
あ、相澤先生」

「なんだ鬼無」

「そんな嫌そうな顔をしないでください。
これ、グラウンドの端まで行ってしまったらどうしたらいいんですかね?」

「……そのままグラウンド回れ。」

「りょーかいしましたあー。」


先の二種目とも悪くない結果だった。
見たところ2位3位くらいの順位だろうか。怪力は使える。

だが、ここが私の見せ所だ。

ほかの種目は怪力を使っても、一番にはなれない。
持久走にいたってはフードを押さえながら走らなければならないし
ぶっちゃけ最下位かもしれない。

1番を取るならここしかない。


「次、鬼無。準備しとけ。」

「ほーい?」


スタートラインに立つ。
クラスが21人で私が特別入学生だからかさっきから私だけ1人でやらされている。
注目されているのを感じる。


「よーしいくぞー」


ボンッ


辺りに煙が充満して、私はコウモリになった。



「「え、ええー!!!」」



パタパタとグラウンドを真っ直ぐ横切り、それからぐるぐると先回し始めるさや。
いきなりコウモリに変身したさやをみて、ざわめきが広がる。

そしてピピッと音がして相澤先生の携帯に"測定不能"と出た。



「鬼無、もういい。戻れ。」




/ 17ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp