第1章 お願い。
少し 私の個性の話をしようと思う。
個性 吸血鬼(ヴァンパイア)
人の血を吸い、その血ごと怪我や病気を吸い出してしまう個性。
吸い出した血は私の糧となり消化されていく。
吸血以外にも吸血鬼が出来ると言われた事は大体出来る。
怪力
コウモリに変身
夜目がきくなど
吸血鬼伝説と違うところは
吸血しても吸血鬼にはならない。
陽の光、にんにくは苦手ではあるが平気。十字架や聖水じゃ死なないというところか。
いくつか欠点もあるが汎用性は高い。
「さてデモンストレーションは終わり。
こっからが本番だ。」
相澤先生の声に顔を上げる。
さて、楽しい時間の始まりだ。
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第一種目 五十メートル走
怪力応用。足に瞬発力を生む。
「四秒ぴったり」
第二種目 握力
またも怪力。壊さないように気をつける。
「500㌔」
第三種目 立ち幅跳び
「さて、どうするか。
あ、相澤先生」
「なんだ鬼無」
「そんな嫌そうな顔をしないでください。
これ、グラウンドの端まで行ってしまったらどうしたらいいんですかね?」
「……そのままグラウンド回れ。」
「りょーかいしましたあー。」
先の二種目とも悪くない結果だった。
見たところ2位3位くらいの順位だろうか。怪力は使える。
だが、ここが私の見せ所だ。
ほかの種目は怪力を使っても、一番にはなれない。
持久走にいたってはフードを押さえながら走らなければならないし
ぶっちゃけ最下位かもしれない。
1番を取るならここしかない。
「次、鬼無。準備しとけ。」
「ほーい?」
スタートラインに立つ。
クラスが21人で私が特別入学生だからかさっきから私だけ1人でやらされている。
注目されているのを感じる。
「よーしいくぞー」
ボンッ
辺りに煙が充満して、私はコウモリになった。
「「え、ええー!!!」」
パタパタとグラウンドを真っ直ぐ横切り、それからぐるぐると先回し始めるさや。
いきなりコウモリに変身したさやをみて、ざわめきが広がる。
そしてピピッと音がして相澤先生の携帯に"測定不能"と出た。
「鬼無、もういい。戻れ。」