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嫌いだなんて言わないで

第1章 お願い。







「私、麗日お茶子!」

「私は鬼無さや!よろしくー!」

「(ほっ…)なんかさやちゃん普通の子やねー。安心したー。
あっ、さやちゃんってよんでもいいかな?」

「そ、そうかなー?ありがとう!全然普通だよ!
じゃあ私もお茶子って呼ぼうかな!」


明らかに緊張しながら話しかけてきたのだろう。普通の回答が返ってきて一息つくお茶子。
さやにとっては今までの行動も特に変だとは思っていなかった。
苦手なものに対して対策をとる。それだけだ。

でも周りからしたら少し変なのかもしれない。現にお茶子には普通…?普通ってなんぞや的なあほずらを向けられている。



「おーい早くした方がいいよー!皆もう着替え終わったよー!」

「ほーい!今行くー!」


更衣室が見えてくると、着替えが終わった女子生徒がぞろぞろとグラウンドに向かう途中に出くわすと
最後尾にいた中性的な女の子がこちらに手を振りながらそう言った。

あ、私鬼無さや。よろしく。
なんて遅れそうなのにちゃっかり自己紹介をしているさやはやっぱりちょっと変わった人だと思った。



「おー!急がなねー!」

「私ちょっと時間かかるから先行っていいからね」



更衣室にはいり急いで着替えようとすると特に急いだ様子のないさやはしれってそう言う。

朝から拘束されてきたさやを少し心配しながら(遅れたらまた拘束されて怒られてしまうやないやろか)

自分はなるべく急いで支度をし、グラウンドへ向かった。


先に出ると声をかけた時には

さやは懐からたくさんのスプレーやらクリームやらを出していたところだった。



(何してるんやろ。個性の関係かな?あとで聞いてみよーっと)



お茶子は特に深く考えることは無く
授業に遅れまいと走ってグラウンドに行った。



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