第2章 1人目 尾白猿夫
「今日は捕縛されてないんだね」
後ろから声をかけてきたお茶子に苦笑いをうかべる。
そうか、皆からしたら私はそんなイメージなんだな。
「今日は父親にずられてきたの。」
「ええー……。」
若干引かれている気がしなくもないが、お茶子は笑ってくれたのでよしとする。
合流した2人は自然と歩くスピードを緩め
お互いに会話を楽しむように教室に向かった。
「日光きついわー。」
「さやちゃん吸血鬼やからかなー。」
「個性が吸血鬼ね。それだと私バケモノみたいじゃん」
「あっごめん!」
「いいよー!」
相澤先生の話があった後みんなに自分から個性の説明をした。
個性は吸血鬼であること。
怪力が使えたり、コウモリになれたりもするが
1番は怪我、病気を吸い出せるのが特徴で雄英ではそれを鍛えていきたいと思っているから
どんどん私に血を吸わせてくれと。
最後のセリフは私からしたら違う意味も含まれている訳だが
弱点を晒す趣味はないので言わなかった。
教室につくとお茶子と分かれ、早速昨日作った鉄壁の中にはいる。
前面だけは板がない使用にしてあるので
このまま授業をうけることも出来るし前の席の子とおしゃべりする事も出来る。
隣の席はいないから問題なし。
なんだこれやっぱり最強か。
鞄を机にかけ、真新しい教科書を机に仕舞う。
教科書には雄英の文字が赤く刻まれている。それを見るとああ、雄英に入ったんだなと改めて感じた。
とりあえず、今日も一日日光に気を付けて頑張りますか!
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ランチラッシュの絶品定食も食べ終え
待ちに待ったヒーロー基礎学。
今日はなんとオールマイトが担当するらしい。
私は他の人たちみたいに強くヒーローに憧れている訳じゃない。
個性を使った仕事をしたい。
それならヒーローの資格を取るのが手っ取り早いってのと
駄目押しの雄英からの誘い。
だから、皆ほどそわそわしたりしないが
それでもNo.1ヒーローだ。
どんなものかと期待しない訳にはいかない。