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嫌いだなんて言わないで

第2章 1人目 尾白猿夫







朝、まだ薄暗い中ランニングを始める。


外はまだ寒い。
息が白くかわるほどではないが空気も澄んでまだ冬の気配を感じる。



軽く準備運動をして、走り出した。


ランニング、筋トレ、柔軟。
ヒーローを目指すと決めた時から毎日かかさずこなしている。

いくらチート個性といわれていても
個性使うには体力がいるし、筋力もあって困ることはない。


(いい天気だー…。こりゃまた晴れるぞ。)









朝のトレーニングを終え、日はすっかり上った。

昨日はてっきり入学式だと思っていたが
今日は何をするのだろう。
たしか時間割には午後からヒーロー基礎学があったような気がした。


シャワーを浴び、汗を流したさやは
自室のベットにごそごそともぐりこ「さや!学校の時間だぞ?」


「……はい。行きます。」



ドアの前に立ち今にも殴りかからんと
右手だけマッスルを発動させている父に抵抗する事は叶わず
駅まで強制的に連れていかれた。



「陽の光反対ー!!!!!!強制連行反対ー!!!!!」



駅まで後ろ襟を捕まれずられていくと周りの視線が痛い。
離してくれる様に頼んでもきっと離してはくれないだろう。
前科がある分文句も言えない。

フードをしっかりと被り日光を遮ると共に顔を隠す。
顔が見えないように深く。




改札口で父と別れ、学校に行くよう念を押されてしぶしぶ向かう事にする。

昨日もそうだったけど人が多い。
これを毎日通っていくとなるとかなり気合いが必要だ。



"次は〜△△△駅〜"



流れるように降り、改札をくぐった。
雄英に近いからか、制服姿の生徒をちらほら見かける。

その中にまたあの人を見かけた。


(あ、また爆豪だ。同じ電車だったのか。)


だからといって話しかける訳でもなく普通にクラスへと向かう。
10メートルくらい先にいる爆豪をなんとなく見つめる。
色んな人がちらちらと見ているみたい。爆豪は意外と有名人なのか?私が知らないだけで。



「あ、さやちゃんおはよう!」

「お茶子ー!おはよー!」



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