第4章 いつのまにか
「で、それなに?」
お母さんが指差したのは、
私の隣の席に置いてあるたくさんの箱
『んふふ、家族にプレゼント』
「あら、怒られちゃうんじゃない?
和也くんから頂いた折角のお休みなのに」
確かにね。
"なにやってんのよ、ほんと"って
呆られそうだけどさ(笑)
『どうしても家族のことしか、
考えられなくてね?お母さんもそう?』
「まぁ、確かにね
それが母親ってもんよ。」
じゃあ、私も立派になったってこと?
「……も立派な母親ね」
『……そうなのかな』
「ま、お母さんにとっては……
いつまでもずっと可愛い娘だけど」
『んふふ、そっか…』
いつのまにか和也が
いないといけない存在になってて、
葵や悠が宝物になってて、
もう3人がいない人生なんて、
いつのまにか信じられないものになってた