第4章 水中ジョージ🚹/尾浜/微裏/現パロ
深夜、おれは布団を被ってみる。夜は深海。
まさに水のように生きものを包む大気の底だ、星々は柔らかなマリンスノー。
そのなかに、白い光に満ちた部屋がある。人類が深海に築いた基地だ。
基地の寝床でおもう。このプロジェクトに関われて俺は幸せだと。
「勘右衛門は?」
ふたりはすてきな深海に暮らしている。それなのになぜ勘右衛門は、それ以上のものを望んで働き回るのだろう。
「もう寝るの? 俺はもうちょっとアイロンかけときたいんだ」
といって、布団に入る気配がないけれど、俺には、勘右衛門がアイロンの準備のために立ち回るあいだ、ほかにもやることを見つけてしまい、いつまでも眠らないだろうことがわかっていた。
そうして、HPが回復しているころだから、と、パソコンに向かいさえするかもしれない。
俺は彼にタックルすると、そのままベッドに引きずり込んだ。
「勘右衛門」
「うわあちょっと!!」
勘右衛門はもがくけれど、ベッドに入ってしまうと俺は灯りを消してしまった。
ふっと、深海から、LEDの白い光がひとつ、消える。
「強引!」
「寝なさい」とつぶやく俺は、その耳に、そっと息を吹きかけた。
「ふあっ………寝ちゃう!」
うしろから勘右衛門を両腕に包み、俺は安心感に身を委ねた。その胸に手を滑らせたとき、掌につんと当たるそれを、弾いてみる。それを散々転がされると、彼は、くたりと、ベッドに身を委ねた。
「あっ…あっ…」
蕩けるような囁きに、彼が半分眠ってしまっているのがわかる。
「……温かい…きもちいい…」
やっぱり、眠いみたいだ。
そして俺は掌を、下着に滑り込ませると、彼を包んだ。