第8章 ミスリードは色褪せない/六い・六ろ/現パロ
体操着に着替えるも俺たちからは妙な異臭がしてしまうのだった。
「潮江くんが『ベンチで待ってろ』っていうからよ」
「まあ、わるかったよ文次郎、だが、ひとりだけなにも臭わないというのも寂しいだろう」
「なんだその理屈?!」
4人には小平太さえも近寄らなかった。
「つぎ、体育じゃないぜ…」
「聞いてくれよ小平太」仙蔵が歩み出て説明するあいだにも「あっシンナー臭…」と退いていってしまう。3メートル以上さきのところに別人のようなよそよそしさで立ちすくんで、俺たちのこころをすこし傷つけるのだった。
「あー…そうなんだー…ペンキを……そーかー…」
「 … 」
俺も前進してみるが小平太は「あっ麻薬臭い」と悲鳴をあげ、またこころの距離を一歩拡げてしまう。
「ちょ…さっきまでシンナーだっただろ!!」
「私ちょっと、麻薬は苦手だ」
「得意でたまるかよ!」
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堀宮パロでした!