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第7章 おひとつプレゼント/富松


「名前、なんていうの」
「よ」

「……金平糖、すきなの?」

「ウン」俺の包み紙からの掌に転び出た翡翠色の粒は、彼女の口に消える。


「いえ…そんなことないわ。だいッきらいよ」


「なんだ、そりゃ…そんなにいうなら食べないでよ」
返してほしいくらいだ。苛ッとして俺は包みを閉じようとしたが、それを見ては、はじめて気まずげにしたのだった。

「きょうまで、すきだったのよ。すきなひとの好物だったから、金平糖……でも、それもきょうまで」



「きょうまで?」
「……ええ。あしたからきらいになることにしたの」

「ややこしいな…ねえ、金平糖きらいになるの、やめなよ。だって、俺はすきだよ、金平糖」
「なによ、それ」


「アンタがすきだとなんだっていうのよ」不機嫌なふりをしていたの顔はしかし綻ぶ。たぶんふたりは友だちになれる。俺はおもった。







  ☆


くのたまを警戒する忍たまかわいいです

お菓子のくだりはおーなり先生の「おてんきチップス」から借りてます
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