第6章 一億光年先の恋人/スピードワゴン
「…おれはまた冒険に出なくちゃあならねえな」
その瞳に写るのは、おれ自身のこころだ。あのころ船着き場でおれが探していたもの、からだを離れてこころが向かっていた場所。こいつと話して―――いや、おれが一方的に話しつづけて―――そのことがするすると解けるように、思い出されていった。
「へへ、アメリカの大地がおれを呼んでいるってやつだぜ。だが…ありがとよ」
おれはそのとき、恋をしたのだった。
☆
「『誰だ?』って聞きたそうな表情してんで自己紹介させてもらうがよ、おれぁおせっかい焼きのスピードワゴン!いまにも身投げしちまいそうなあんたがおっかないんで見張りに来た!」
より具体的にいうと、彼を待っているのはアメリカの大地の石油です