第38章 私立リアリン学園!15時間目~ミシェル~
「そりゃね、私は、外国人で庶民だから、政略結婚とか一夫多妻制が存在することが実感できないよ。今どきの時代で、そういうのに本気で従う人がいるってのも驚きだし。でも、それじゃ幸せになれないよ」
つい、強い口調で反撃してしまった。
ミシェルの立場をわかっていながら、意地悪なことを言った。
だけども―――。
「私は、自身の幸せより、国の繁栄を望みます」
彼女の堂々と言い切るその姿に、言葉が出なかった。
なんというか、覚悟のほどを見せつけられたようだ。
生まれた時からゼノ様と結婚すると決められたって言ってた。好きな人と結婚するという選択肢は、初めから存在していない。だから、結婚の意味が根本から違っているのだ。
国を背負う覚悟が備わっているんだ―――。
「決意は、わかったよ。で、私に第二夫人?王妃?なんだかわからないけど、それになってほしいって思いも。それで、眠れなくなるほど悩んでたわけ?今になって何で?何か、きっかけがあったの?」
「おばあさまが………」
「あの魔女か!って、あ、や、今のはっ」
ヤバイ!
慌てて口をつぐむ。
も~う、クロードが変なこと吹き込むから、つい言っちゃったよぉ。
「魔女、ですか」
「あのね、ミシェル、それは~っ」
どうしよう!
身内を悪く言われたら、気分を害するものだよね。
どうやって撤回したらいいの!?
焦り過ぎて逆に頭の中が真っ白になっていき、うまい言い訳がまったく思い浮かんでこない!!