第38章 私立リアリン学園!15時間目~ミシェル~
「………まさかと思いますが、ゼノ様のお気持ちに気づいてないんですか?」
「え?どういうこと?」
「なんでそんなに鈍いんですか」
「鈍いって言われても。あの、つまり、ゼノ様は、私を好きってこと!?」
それって本当なのかな。思い当たる節があるような、ないような………あまりのことに、うろたえてしまう。
「おそらく、ゼノ様からは言い出さないでしょう。マイン先生にも私にも気遣って………そういうお方ですから」
「それならそれでいいんじゃない?私達が、どうこうする問題じゃないと思うんだけど」
「何を呑気な。それでは、ゼノ様の性欲は、どう解消されるのですか?」
「えええっ、性欲?って、言われてもっ」
「ゼノ様は、欲求を満たすためだけに女性と関係を持つような方ではありません。ですから、常に精神的にも肉体的にも満たす女性の存在が必要なのです」
「あ、あのさ、それは、どう考えても妻の役割だと思うのね。ミシェルとゼノ様も夫婦として一緒にいるようになったら、自然とそういう気持ちになっていくんじゃない?夫婦ってそういうものだからさ………って、結婚したことない私が言うのもなんだけど」
「話、聞いてました?私は、この身体に誰も受け入れる気がないのです。それがゼノ様でも同様です。何度も言わせないでください」
ミシェルの気迫に押されて、縮こまる。
ヨハンナ夫人を彷彿させる、静かな威圧感―――。
怖いよぉ。