第38章 私立リアリン学園!15時間目~ミシェル~
………もしかして、ジル教頭もヨハンナ夫人が、苦手だったりして?
「何か聞きたいことでもございますか?」
いぶかしげに目を細めて、私を見ているジル教頭。
「ヨハンナ夫人って何者ですか?」
「面識のないのは、マイン先生だけでしたね。ヨハンナ夫人は、シュタイン公爵家の筆頭、そして、この学園の理事をしております。もちろん、出資者でもあります」
つまりは、権力者でお金持ちってことか。そして、この学園と深い関わりがある。
「ジル教頭とは、親しい間柄なんですね」
「私が、この学園に来た当初から懇意にしております。学園の創立当時からの理事ですので、必然的にそうなりますがね」
じゃあ、リアリン学園長とも長いつきあいってことになるよね。
伯爵も出資者の一人であるわけだから、ヨハンナ夫人とは同等な立場なのかな。
伯爵とアーサーが、今、この学園を仕切っていることをどう思っているんだろう?
「何をお考えで?」
ジル教頭に顔を覗き込まれて、慌てる。
「えっと、ミシェルもあんなふうに笑うんだなって驚いちゃって。よっぽどヨハンナ夫人に会えて嬉しかったんですね」
「………ええ、そうですね」