第38章 私立リアリン学園!15時間目~ミシェル~
「おばあさま、お久しぶりです」
花のような笑顔で、こちらへとやって来たミシェル。
「まあ、ミシェル、少し会わない間に、またキレイになって。さすが、わたくしの自慢の孫娘だわ」
二人が抱き合って再会を喜んでいる様を、呆然と眺める。
………おばあさま………孫娘。
言われてみれば、似てるかも。
キラキラと光る金髪に、エメラルドグリーンの瞳、整った顔立ち―――いや、そっくりじゃん!
納得。
「ミシェル、学園内を案内してちょうだい」
「はい、おばあさま」
目の中にも入れても痛くないとは、このことだ。ミシェルに注がれる柔らかい眼差し。かわいい孫娘を溺愛してるんだね。
「ミシェル、ヨハンナ夫人は迎賓館にお泊まりになります。貴女もご一緒しますか?」
ジル教頭が控えめに口を挟む。
迎賓館とは、学園の敷地内にあるお客様用の宿泊施設だ。男子宿舎の裏にある学園長宿舎の並びで、名前のとおり立派な建物であることは、間違いない。
「おばあさまとご一緒したい気持ちは大きいのですが、私は宿舎長ですので、宿舎を離れるつもりはありません。職務を努めなければなりませんので」
「なんて責任感が強いのでしょう!ミシェル、貴女を誇りに思うわ」
ヨハンナ夫人は、ますます機嫌をよくして、二人は並んで職員室を後にした。
その姿が完全に見えなくなると、ふぅっと、ついた息が重なって聞こえた。
どうやら、ため息をついたのは私だけではないらしい。
ジル教頭が、珍しく安堵の表情を浮かべている。