第38章 私立リアリン学園!15時間目~ミシェル~
ん?あれ?
そういえば、ゼノ様がミシェルを抱き上げようとした時も、怯えた表情で拒絶していた。
ミシェルに肩を貸してここまで来たけど、あんなふうにお互いの肩に腕を回し合っている状態は、相手が男だったら無理ってことだよね。それが、ゼノ様でも………?
でも、さっきまで、ゼノ様と踊ってたよね?
ダンスの距離までならよくて、それ以上がダメってことかな。
つまり、深い仲というわけじゃない―――!?
スカートのポケットの上に手を置く。もう、『ソレ』は、入っていないけど。
『私より、マイン先生の方が需要がありそうだから』
そう言って、微笑んだミシェルが思い起こされる。
アレを使うような行為は、していないってことか………。
「悩ませちゃったようだね、ごめんね。メッサリナ先生の辞めた理由はともかく、腕のいい名医であったことは、間違いないよ」
ロベール先生は、私が前の保健の先生のことを気にしていると勘違いしたのか、そんなフォローをする。
そうだ、問題は、そっちだった!
学校内で、しかも生徒とそんな行為をする先生がいたなんて、耳を疑うよ。
マンガやドラマでは、よくありがちな『保健室での情事』が現実にあったなんて………ここに入った時、高級感漂う部屋に圧倒されたけど、もうそんなふうには思えない。
メッサリナ先生って、若くて美人だったんだろうな。
その上、名医。
けどね、私の頭では、自動的に『名器』に変換しちゃってるよ!
ミシェルじゃないけど、どんなに立派な先生だろうと、そういういかがわしい行為をしてるってだけで、軽蔑に値するよ。
それなのに、そういう人を擁護するってことは、親密な仲だったのかと勘ぐられても仕方ないよね。
ロベール先生とメッサリナ先生の関係が知りたいけど………教えてくれるわけないか。