第38章 私立リアリン学園!15時間目~ミシェル~
カチャリ。
そんなやり取りをしているところに、不意にドアが開いて、ロベール先生が入ってきた。
「遅くなって悪かったね。ミシェル、大丈夫かい?」
どうしてロベール先生が来たんだろう?ミシェルが、心配だったからってことかな?
「マイン先生が処置してくれたのかい?ずいぶん腕がいいね」
ミシェルの足首に巻かれた包帯をしげしげと見つめ、感心したように頷いている。
「本当ですか?やった!」
そうだ、ロベール先生は医者だもんね。プロに褒められちゃった!
「けど、若干、包帯の巻きが甘いかな。せっかくここまで処置してくれたけど。ミシェル、少し触るよ、いいかい?足首の少し上、それとここ」
ロベール先生は、慎重に念押しする。触られることに抵抗のあるミシェルのことをよくわかっている。
手際よく包帯をほどき、ミシェルの足首を直角に固定して、もう一度巻き直していく。
「ちょっとキツイだろうけど、これくらいの方が足首に負担がかからなくて、痛みも少ないからね」
私の時よりキッチリとキレイに包帯が巻かれていて、足首が安定している。
「後は………他にもどこか怪我しているのかな」
ロベール先生の視線が、テーブルに置かれた軟膏に注がれる。
「いえ、もう平気です」
またもや、きっぱりと言い放つミシェル。
「不便な思いをさせたかな。あいにく、保健医が不在でね」
ロベール先生は、包帯と軟膏を手にし、片付けを始めながら言った。
あ、だから、ロベール先生が来たのか。ジル教頭が連絡したんだろうな。