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【イケメン王宮・イケヴァン】りありん劇場♥R18

第38章 私立リアリン学園!15時間目~ミシェル~




「顔を上げて背筋を伸ばし………もう少し力を抜くといい」


そ、そう言われてもっ。ドキドキし過ぎて、か、顔が上げられないっ!



「マイン」


低く、厳かな口調で名前を呼ばれて、ゆっくりと顔を上げる。

その夜色の瞳は、深く澄んでいて、吸い込まれそうだ。今度は逆に、目が離せない。



ジャンッ。


音楽が鳴り始めたので、それに合わせて急いで身体を動かす。

と、なめらかに、それでいて軽やかにステップが踏めていく。



え、嘘、なんで?

さっきまで、めちゃくちゃだったのに………。

―――あ、そうか。ゼノ様のリードが完璧なんだ。

主導権を握って導いてくれていながらも、私の動きにも沿ってくれている。

お互いの身体がしっかりと密着しているので、一体感があり、安定して踊ることができている。



ダンス、楽しい―――!!



「やっと笑ったな」

「あっ、そうですね」

「楽しいか?」

「はい、とっても!」

「そうか、俺もダンスが楽しいと思ったのは、初めてだ」

「え、ゼノ様も!?」


………ゼノ様って、今までにもダンスの経験あるよね?

それなのに、今、初めて楽しいと思えてるって?



「ステップは、頭に入っているようだが、先ほどまでは、踊れていなかった。なぜだ?」


「ん~、なんででしょう?間違えちゃいけないとか迷惑かけないようにとか、そんなことばかり考えてて、楽しむことを忘れてたからでしょうか。ゼノ様のリードがお上手ですし、これだけくっついていると、一つになってる気がして動きやすいですよね。距離感って大事なんですね」


と、そこまで言って、妙に恥ずかしくなる。

改めて、この密着感を思い知ってしまう。


「距離感か。俺は、他の男とおまえが踊っているのを見ていられなかった」

「え、それって、あまりにも下手でってことですか?」

「いや、そうではなく………」








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