第37章 私立リアリン学園!~ロベール~ 情熱編
「あぁ………」
「気持ちいいかい」
コクンと頷いてみたけれど、次の瞬間、指を引き抜き、強く首を横に振る。
「意地悪しないでください。こんなの恥ずかし過ぎる」
「意地悪をしてるつもりではないのだけど………結果的にそうなってしまったかな。最初に抑えられなかった自分が情けない」
「無理に私が誘ったからですよね。すみません」
見上げると、そこには、眉間にシワを寄せ、キュッと唇を引き結び、苦悩する表情があった。
手の甲にかさねられていた手が離れていく。
………。
不自然なほどの沈黙に、徐々に冷静さを取り戻す。
どうして、そんな顔をするの?
一線を超えては、いけないとでも思ってる?
そんな理性、どこにあるの?
私だって、もう限界なのに………。
「ロベールさん、私、覚悟はできてますよ?」
「………俺には、君を抱く資格がない」
「資格って?好きになるのに、資格が必要?」
「そういうことじゃないんだ。だけどね」
「だけど、なんて言わないで。何も言わなくていい。私は、こうなりたかったから。ロベールさんに触れてほしかったから。ただ、あなたに愛されたい」
まっすぐに、その瞳を見つめ返し、告げる。
目を伏せる彼を引き寄せるように腕を伸ばす。髪にそっと触れ、梳いていく。柔らかい感触が、指の腹に心地よく伝わってくる。