第37章 私立リアリン学園!~ロベール~ 情熱編
………私、何してるんだろう。
ハッとなって、慌てて顔を逸らす。
振り向いてほしくて、必死だっただけ。
だから………なんて、一人で言い訳をしたって意味がない。
バカなことをしちゃった。
もう顔を合わせられないよぉ。
と、急に顎を持ち上げられ、唇に柔らかい感触を感じた。
すぐさま、その重なりは、深いものになっていった。
口内を激しく求められ、呼吸もままならない。
「ぁ………ふ、ぁ」
絡めとられる舌。その動きに翻弄されて、頭の中が真っ白になっていく。
な、何が起こっているんだろう―――。
ただ、わかることは………ロベールさんも同じ気持ちだということ。
幸せな思いで、彼を受け入れる。
与えられる甘い刺激に、だんだんと身体の力が抜けていく。
唇を重ね合わせながら、ゆっくりと、でも力強く身体を押され、一歩二歩後ずさる。
膝裏にソファがあたったかと思った瞬間、視界が反転した。
身体が、ソファに沈み込んでいる。
眼前のロベールさん越しに照明が照らされていて、眩しさに目を細める。
するりと、耳に冷たく、くすぐったい感触が滑っていく。
「ひゃっ、んっ」
シュルリシュルリと音を立てて、耳のフチをなぞられる。
な、何、この感覚!?
絵筆が音と同時に動いているのを、目の端に捉える。
そのうちに、筆の先が耳の中に入り込み、中でうごめいている。
「あ………っ」
ゾクゾクと肌が粟立っていく。なんともいえない不思議な感覚。