第37章 私立リアリン学園!~ロベール~ 情熱編
「私って、そんなに魅力ないですか」
自分でも驚くほど、か細い声が出る。月並みなセリフだけど、そう言うしかなかった。
「その逆だよ。魅力的過ぎるくらいだ」
「じゃ、どうして………」
「俺なんかには、もったいない」
ためらいながら振り向いた彼は、眉を下げ、困ったような表情で笑ってみせた。
「私は、ロベールせん………っ、ロベールさんが、いいんです」
「やめておいた方がいいよ」
「そんなこと言わないでください」
感情が高ぶってきて、目頭が熱くなっていく。
すぐさま、涙の波が押し寄せ、まばたきと同時にひとしずくが、頬を濡らす。
続いてもう一粒。
「好きなんです」
「ありがとう」
そう言って、人差し指で私の涙を拭ってくれる。
けれど、それ以上触れようとはしない。
その深い茶色の瞳には、しっかりと私が映っているというのに。薄い唇には、絶えず笑みが浮かんでいるのに。
どこか無理をしているようで。
どうして………?
背伸びをすると、おもいきって、その唇に唇を重ねる。
ほんの一瞬、触れるだけのキス―――。